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# 03

デザイン性が高める「マンションの資産価値」

デザインという、見過ごされがちな資産価値の源泉。

Vol. 2

マンションにおける「デザイン」の効用

「デザイン」とは、一体何を指すのか。

マンションにおけるデザインとは、外観・内装・共用部・ランドスケープという4つの要素の総合力を指す。 街並みと調和したファサード、住戸内の間取りや設備、エントランスやセキュリティ設計、植栽計画などが密接に関係し合い、建物全体の資産価値を形成する。

優れたデザイン性は、居住者・投資家・社会の三者にメリットをもたらす。居住者にとっては快適性やセキュリティの向上、愛着の醸成につながり、投資家にとっては入居率の維持、周辺相場より高い賃料設定、リセールバリューの向上に寄与する。また、街並みとの調和は地域全体の価値向上にもつながる。日本では「新築が価値の高い住宅」という評価基準が根強く残ってきたが、建築技術の進化とともに、築年数だけでなく「デザイン性」が資産価値を長期的に維持する重要な判断基準となりつつある。

外観、内装、共用部、ランドスケープ。総合力としてのデザイン

「デザイン」を構成する4つの要素。

マンションのデザインには、いくつかの異なる視点が含まれます。街並みに調和したファサード、高級感や洗練された印象を与えるマテリアルの選定、夜間照明による演出、住戸配置やバルコニーデザインなどの「外観」のデザイン。

住戸内の間取りや動線、フローリングやクロスといった材、キッチンや浴室などの設備、カラースキーム、IoTやスマートホームといった「内装」のデザイン。エントランスホール、内廊下・外廊下、ラウンジ・宅配ボックス・オートロックシステムなどの設備設計、バリアフリーやセキュリティ面の配慮といった「共用部」のデザイン。

エントランスアプローチの演出、四季を感じる植栽計画、プライバシー確保と開放感のバランス、 駐車場や駐輪場の配置と景観への配慮といった「ランドスケープ」のデザイン。これらを総合してマンションデザインは成り立っており、それぞれが密接に関係し合っています。

マンションにおけるデザイン性は、建物の資産価値を維持・向上させる上で重要な役割を果たします。

優れたデザインは外観の美しさのみならず、共用部や住戸内の機能性や快適性、都市環境との調和にも配慮が行き届き、物件の希少性やブランド性を高めてくれます。特に、著名建築家による設計、都市環境との調和、質の高い空間への配慮が行き届いた建築は社会的評価や市場価値も高く、リセール時の価格保持にもつながるでしょう。

また、質の高いデザインは入居者の満足度を高め、長期居住や物件の丁寧な管理を促す要因となるため、結果として建物全体の維持管理にも貢献すると考えられます。さらに、都市との関係性を意識したデザインや環境配慮型の設計であれば、将来的な都市計画や規制変更にも柔軟に対応でき、持続的な価値形成を可能にしてくれるのです。こうした要素が複合的に作用し、資産としての安定性を高めるのがマンションのデザイン性が持つ力と言えるでしょう。

居住者、投資家、社会。デザイン性がもたらす数々のメリット

居住者・投資家・社会―三者三様のメリット。

優れたマンションデザインがもたらすメリットは数知れません。ここでは「居住者にとってのメリット」「投資家にとってのメリット」「社会的・環境的なメリット」に分けて見ていきましょう。

居住者にとってのメリット

  1. 快適な住環境:日当たり・風通し・プライバシー確保を意識した住戸配置、回遊性のある間取りやスムーズな動線、壁や床の材を工夫した遮音性の高い設計は、居住者に快適な日常生活をもたらします。
  2. 満足感や愛着:色調や素材にこだわったデザイン性の高い内装、ホテルを思わせる高級感のある共用部の演出などは、住む満足感を高め、「毎日帰りたくなる家」という愛着を育てます。
  3. セキュリティの向上:見通しがよく視認性が高い共用部の設計、オートロックや監視カメラの設置、照明や動線設計による不審者を寄せ付けにくいデザインは、居住者の心理的・物理的安全性を高めてくれます。
  4. 美しさと機能性のバランス:従実した収納計画の充実、理想的な家具の配置を前提とした間取り、IoTやスマートホームとの自然な統合は、美観と機能性を両立させます。

投資家にとってのメリット

  1. 入居率の維持:美しく機能的な内外装は「選ばれるための要素」。入居率の維持、居住者満足度の向上、長期入居の実現に寄与します。
  2. 差別化による高い賃料設定:マンションのデザイン性に価値を感じるターゲット層にアプローチすることで、周辺相場よりも高値で入居者を募集できる競争力が備わります。
  3. 経年劣化に強い外観・素材選定による維持費低減:退色しにくいタイルやガラス素材の使用、雨筋が目立ちにくい形状の庇や外壁、メンテナンスしやすいディテール設計などにより、長期的な資産価値を維持します。
  4. 資産価値の維持・向上:美しく保たれた、築年数を感じさせないデザインによっていつまでも「選ばれる理由」を維持し続けることで、将来的なリセールバリューや賃料の向上が期待できます。

社会的・環境的なメリット

  1. 街並みへの配慮:品格があり、景観に馴染み、街に開かれたマンションデザインは、その存在自体が街や地域の価値向上につながります。
  2. 周辺環境との共存:敷地境界の緑化、塀や植栽による柔らかな境界設定、ゴミ置き場や駐車場の配置や音や視線への配慮により、周辺環境に違和感なく馴染むことができます。

優れたデザインは、時間の経過を味方に付ける

「新築至上主義」を超えて。デザインが資産になる時代。

住宅の価値を語るとき、日本において特に特徴的なのが、「住宅は新しければ新しいほど価値が高い」という評価基準です。

日本で新築住宅が高く評価される理由はひとつではなく、文化的、制度的、環境的な要因が複合的に絡んでいます。木造建築中心だった日本では住宅は「消費財」であり、「耐久財」と捉えて100年以上住み継がれることも多い欧米とは感覚が異なります。

また、新築住宅は中古住宅と比較して融資を受けやすいという制度設計の影響もあるでしょう。加えて、中古住宅市場が長らく未成熟であったことや、地震大国であるため耐震基準が度々見直されてきた結果、より新しい住宅が好まれるようになったと考えられます。戸建住宅でも、マンションでも、「住宅は新しい方がいい」という考え方は未だに根強く残っています。

一方で、時代は流れて建築技術も飛躍的に進化し、不動産に対する考え方も大きく変わりました。

30年程度で建て直すのが基本とする考え方一辺倒ではなく、高品質の住宅はいつまでも長く愛され、住み継がれていくのが当然となっています。これからの不動産の価値は、築年数だけで簡単に計られることは少なくなり、その時、資産価値を維持する重要な判断基準のひとつが「デザイン性」ではないでしょうか。

優れたデザインを備えることで、マンションの魅力は衰えるどころか、時間の経過とともにより深まっていくはずです。心を込めて細部まで丁寧にデザインされたマンションはいつまでも大切に住まわれ、世代を越えて愛され続けていくのです。